食事制限しても痩せない人へ。むくみ×漢方で見直すダイエット習慣
美容薬剤師が教える!美容/痩身/育毛/ホルモンケア

「食事もがんばって減らしてるのに、全然やせない…」
「夕方になると足がパンパンにむくんで、体重が増えちゃう」
「頭痛や冷えが続いていて、スッキリしない」
こんな悩みを感じている人、実はとても多いんです。
やせない理由は「食べすぎ」や「運動不足」だけじゃありません。体の中のバランスや「体質」が関係していることもあるんです。
東洋医学(漢方の考え方)では、体の中を「気(エネルギー)・血(血液)・水(水分)」がうまく巡ることが大事だと考えます。特に「水の巡り」が悪いと、むくみや便秘、冷えが出やすくなり、ダイエットもうまくいかなくなります。
そこで今回は、防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)と五苓散(ごれいさん)という二つの漢方を使った「むくみ体質改善ダイエット」について、わかりやすく紹介します。
食事制限しても痩せないのはなぜ?
「太る=食べすぎ」だと思っていませんか?
でも実際は、同じように食事を減らしても「スッとやせる人」と「なかなかやせない人」がいます。
その違いは、努力の差ではなく 体質 によるものかもしれません。
痩せにくさには「体質」が関係している
食事量を減らしても効果が出にくい人は、体のめぐりや代謝の働きが弱いことがあります。
特に、水分や老廃物が体にたまりやすいタイプ、冷えやすいタイプは注意が必要です。
水分のめぐりが悪いタイプ
体の中の水がうまく流れずにたまってしまうと「むくみ」になります。
顔や足がパンパンに見えたり、体重が減りにくかったりして、太って見えてしまうことも。
便秘しやすいタイプ
おなかの中に不要なものが溜まってしまうと、体がスッキリせず「やせにくい体」になります。便秘は見た目にも気分にも影響するので、ダイエットの大きな壁になります。
冷えや疲れやすいタイプ
体が冷えやすい、すぐ疲れてしまう人は、基礎代謝(生きているだけで使うエネルギー)が低めです。同じ量を食べても、消費する力が少ないので太りやすく、やせにくい状態になります。
つまり、ダイエットがうまく進まない理由は「カロリーを取りすぎたから」だけではありません。
体質や水分の巡り が深く関わっているんです。
漢方が提案する「むくみ×肥満」へのアプローチ
東洋医学では、人の体を「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(水分)」の3つの流れで考えます。
このうち、水の流れが悪くなると、体に水分がたまりやすくなり、むくみや「水太り」と呼ばれるタイプの肥満につながるといわれています。
そんなときに役立つのが、「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)と五苓散(ごれいさん)」という漢方薬です。
どちらも「体の水分バランス」を整えて、余分な水を外に出しやすくしてくれる働きがあるんですよ。
防己黄耆湯が合う人とは?
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)の特徴
- 疲れやすく、汗をかきやすい
- 下半身のむくみや関節の腫れ
- 水太りタイプの肥満
体の中にたまった余分な水分を外に出し、体をスッキリ軽くしてくれる働きがあります。
「ダイエットをしているのに、全然やせた気がしない…」
「夕方になると脚がパンパンにむくんでつらい…」
そんな人に合いやすい漢方です。
五苓散が合う人とは?
五苓散(ごれいさん)の特徴
- 水分をとっても喉が渇く
- むくみや頭痛、めまい
- 夏の暑さで体がだるくなる
この漢方は、体の中で水分がかたよってしまう状態を整え、余分な水を外に出しやすくしてくれます。特に、梅雨の季節や夏のジメジメした時期に「体が重だるい」と感じる人や、ダイエットが停滞してしまったときに役立ちます。
体質によって使い分けることが大切
防己黄耆湯と五苓散は、どちらも「むくみ」を改善する働きがありますが、体質によって合うほうが違います。
- 防己黄耆湯は「体力が落ちていて、むくみが出やすい人」に。
- 五苓散は「体の水分バランスが乱れて、むくみやだるさがある人」に。
それぞれの特徴に合わせて使い分けるのがポイントです。
むくみ改善がダイエットに直結する理由
むくみをなくすことは、ただ水分が抜けるだけじゃありません。体の流れが良くなって、自然に「やせやすい体」に近づいていきます。
- 水分の流れが良くなる → 冷えやだるさがやわらぐ
- 血の流れが良くなる → 脂肪が燃えやすくなる
- 見た目がスッキリ → 体重も落ちやすくなる
つまり、むくみをそのままにせず改善することが、ダイエット成功のカギになるんです。
生活習慣×漢方で効果を高める
漢方薬だけに頼るのではなく、毎日の生活を少し工夫することで、さらに効果が出やすくなります。
食事
- 白いご飯を、玄米や雑穀米に置きかえてみる
- ジュースや甘い飲み物を控えて、水やお茶を選ぶ
- 野菜や海藻など、食物繊維をしっかりとって便秘を改善する
運動
- 激しい運動じゃなくてもOK。ウォーキングやストレッチで体の流れを良くする
- 下半身がむくみやすい人は、ふくらはぎを動かす運動が効果的
睡眠
- 寝不足は食欲をコントロールできなくして、太りやすい体につながる
- 寝る前はスマホをやめて、リラックスして眠ると自律神経も整いやすい
【実例紹介】むくみ×漢方で変わった方々の体験談
「本当に効果があるのかな?」と思う人もいるかもしれません。
ここでは、実際にむくみと肥満に悩んでいた人たちが、漢方を取り入れてどう変わったのかを紹介します。
40代女性の場合
長いあいだ疲れとむくみに悩んでいて、どんなに食事を減らしても体重が落ちませんでした。
そこで防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)を飲み始めたところ、体が軽くなり、むくみも改善。
半年でマイナス4kgを達成し、「やせた!」と実感できるようになりました。
30代男性の場合
夕方になると脚がパンパンにむくみ、肥満体質が気になっていました。
そこで五苓散(ごれいさん)を取り入れたところ、むくみが減り、体重も3kgマイナスに。
「前より疲れにくくなって、仕事のパフォーマンスも上がった」と実感しています。
美容薬剤師からのアドバイス
「食事制限も運動もしているのに、うまくいかない…」
そんなときは、あなたの努力が足りないのではなく、体質やむくみが関わっている可能性があります。
- 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、疲れやすくて水太りタイプの人におすすめ
- 五苓散(ごれいさん)は、水分のバランスが乱れやすい人や、頭痛・むくみが気になる人に向いています
- 体の巡りを整えると『スッキリした!』と実感しやすくなります
- 漢方に生活習慣の見直しをプラスすると、やせやすい体質づくりが可能になります
食事を減らすことや運動だけではなく、体質と体の巡りを整えることを意識するのがポイント。
自分の体に合った漢方と生活習慣を組み合わせることで、無理のないダイエットが続けられるようになりますよ。
あなたの「がんばり」が報われるために、体質に合わせたアプローチを一緒に考えていきましょう。
まとめ
ダイエットは「食べすぎたから太る」「食べなければやせる」といった単純なものではありません。
体質や体のめぐりが大きく関わっているため、むくみ・疲れ・冷えといったサインを見逃さないことが大切です。
「ダイエットが進まないのは私の努力不足だから…」と自分を責める必要はありません。
あなたの体に合った方法を見つければ、もっと自然に、もっと楽に、結果は出てきます。美容薬剤師として伝えたいのは、無理に我慢するダイエットではなく、自分の体を理解して寄り添うダイエットを選んでほしい、ということです。
そのほうが心も体もラクになり、続けやすく、長い目で見て「やせやすい体質」に変わっていきます。今日からできることを一つ見つけてみましょう。
監修:美容薬剤師 吉竹麻由子