【顔の赤いシミ】それ、ただの“色素沈着”ではありません|炎症・毛細血管拡張・角化症との関係とは?
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「美白化粧品を使っているのに赤みが全然消えない…」
「ニキビは治ったのに、赤い跡が残ったまま…」
そんな「顔の赤いシミ」に悩んでいる人が最近とても増えています。
たしかに、赤みの原因が“シミ=メラニン”である場合もありますが、実はそれだけではないのです。
血管の変化や皮膚の炎症、加齢による変化など、赤みにはさまざまな理由が隠れています。
今回は、美容薬剤師の立場から、赤いシミの原因とその見分け方、そして薬やスキンケアによる対策について、やさしく丁寧に解説していきます。
顔の赤いシミの原因と治療法|ニキビ跡や赤ら顔が消えない理由とは?
「紫外線対策してるのに、なぜか赤みが増えてきた気がするんです…」
「ニキビは治ったのに、赤い跡だけがずっと残ってる…」
「毎日しっかりスキンケアしてるのに、肌がどんどん敏感になってきた気がします」
「赤みが“ただのシミ”だと思って美白化粧品を使っていたけど、全く変わらない」
鏡を見るたび気になる顔の赤み。
ニキビが治ったあとも残る赤い跡、頬や鼻に広がる赤ら顔、ファンデーションで隠せない色ムラ。
これらは単なる「茶色いシミ(色素沈着)」とは違い、皮膚の炎症・毛細血管拡張・脂漏性角化症など、複数の皮膚症状が関係していることが多いのです。
この記事では、美容薬剤師の視点から、「赤いシミ」の代表的な原因とその見分け方、さらに内服薬・スキンケアを中心とした医療的対処法について詳しく解説します。
顔の赤いシミの原因は「メラニン」だけじゃない|考えられる4つの皮膚症状
シミ=メラニンによる色素沈着と思われがちですが、「赤いシミ」にはまったく異なる原因が隠れていることも。
とくにニキビ跡や赤ら顔など、血管や炎症が関与する皮膚トラブルが多く見られます。
ここでは、赤みをともなう代表的な4つの皮膚症状についてやさしく解説します。
赤いシミの正体は「炎症後紅斑」かも|ニキビ跡が赤く残る理由
ニキビが治ったのに、「赤い跡だけがなかなか消えない…」と感じたことはありませんか?
それは、よくある茶色いシミ(色素沈着)ではなく、「炎症後紅斑(えんしょうごこうはん)」と呼ばれるものかもしれません。
炎症後紅斑は、ニキビや湿疹が治ったあとに、肌の中の細かい血管が透けて見えることで、赤く見えてしまう状態です。
とくに頬やあごなど皮ふが薄いところにできやすく、赤みがなかなか引かないのが特徴です。
メイクで隠そうとしても、赤みが浮いて見えてしまったり、
日焼けや洗顔でゴシゴシこすることが刺激になって、赤みがさらに悪化してしまうこともあります。
また、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)が乱れていると、赤みが長く残ってしまいやすくなります。
炎症後紅斑は、ゆっくり時間をかければ自然に目立たなくなることもありますが、
焦らずに、やさしく肌をいたわるケアを続けることが大切です。
「赤いシミが消えない…」と悩んでいる方は、まずはこの状態かどうか、見直してみましょう。
赤ら顔や酒さの原因に|毛細血管拡張症とは?
「鼻や頬の赤みがいつまでも消えない…」
そんなお悩みがある方は、「毛細血管拡張症(もうさいけっかんかくちょうしょう)」という状態かもしれません。
これは、肌の中の細い血管が広がったまま戻らなくなり、赤みがずっと残ってしまうというものです。
この症状が進むと、「酒さ(しゅさ)」という名前で皮膚科で診断されることもあります。
紫外線、気温差、アルコール、ストレスなどがきっかけになりやすく、
赤みだけでなく、ヒリヒリした刺激感やかゆみ、ニキビのような膿が出ることも。
また、「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という別の皮ふの病気と同時に起こることもあります。
見た目だけの問題ではなく、不快な症状がある場合は早めに皮膚科で相談してみましょう。
加齢や紫外線で現れる赤み|脂漏性角化症・日光角化症とは?
年齢を重ねるとともに、肌に赤くザラザラしたふくらみができてくることがあります。
これが「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」や「日光角化症(にっこうかくかしょう)」と呼ばれるものです。
はじめのうちは赤みが中心で、色素沈着(茶色いシミ)と見分けがつきにくいことも。
脂漏性角化症は「老人性いぼ」とも言われることがあり、年齢とともに出やすくなります。
また、日光角化症は皮膚がんの前ぶれとなる場合もあるため、放置せずに早めに皮膚科を受診することが大切です。
体質や年齢によっても現れ方はさまざま。
「いつもと違う」「気になる赤みがある」と感じたら、早めに専門医に見てもらいましょう。
紫外線や擦り過ぎが赤みの原因に|肌の慢性的な炎症
「ちゃんと日焼け止めを塗っているのに、赤みがどんどん増えている気がする…」
そんな声もよく聞きます。
実は、紫外線による刺激と、洗顔などで肌をこすりすぎることが重なって、
肌がずっとダメージを受けている状態になっているのかもしれません。
このような状態になると、肌のバリア機能が弱くなり、中の血管が透けて見えて赤くなることがあります。
さらに、クレンジングのしすぎやスキンケア成分の刺激が、赤みを悪化させる原因になることも。
「やさしく、必要なだけ」――これが肌にとっていちばんのケアです。
赤みが気になるときは、まずこすらない・やりすぎないを意識してみてくださいね。
赤いシミを改善するための薬とスキンケア
「赤みが気になるけど、病院に行くほどじゃないかも…」
「市販のクリームやスキンケアでどうにかならないかな?」
そんなふうに思うこと、ありませんか?
実は、赤いシミ(赤み)のなかには、おうちでのスキンケアや市販のお薬でケアできるものもあります。
でも、赤みの原因によっては、皮ふ科やオンライン診療での相談が必要な場合もあるんです。
たとえば…
少しだけ赤みがあるけど、ヒリヒリはしていない
→ 保湿などのやさしいスキンケアでOK
かゆみやヒリヒリ、赤みがだんだんひどくなってきた
→ 一度、皮ふ科で相談を!
まずは“今の赤みがどのくらいの状態か”を知ることが大切です。
ここからは、赤いシミや赤ら顔に役立つ「ぬり薬」「飲み薬」「スキンケア」の方法をわかりやすく紹介していきます。
顔の赤いシミを改善するには?やさしい薬とスキンケアの選び方
「赤いシミってどうすれば良くなるの?」「スキンケアだけで治るの?」
そんな疑問を持っている方も多いかもしれません。
実は、赤いシミにはメラニンだけでなく、「炎症」や「血管の広がり」が関係していることがあります。
だからこそ、赤みをしずめるためには、肌のバリアを守るスキンケアや、炎症をおさえるお薬がポイントになるんです。
ここでは、肌にやさしくできる赤みケアの方法をご紹介します。
【外用薬(塗り薬)】市販でも使える、赤み肌にやさしい塗り薬とスキンケア
赤みが気になる肌には、病院に行かなくても購入できる外用薬やスキンケアで、やさしくケアすることが可能です。
ただし、肌の状態によっては合わないこともあるため、刺激の少ないものを選ぶことが大切です。
トラネキサム酸のクリーム
肌の赤みや炎症をおさえるはたらきがあります。ニキビ跡や肝斑など、赤っぽいシミに使われることが多いです。
保湿とバリアサポート
セラミドやヒアルロン酸が入った保湿剤を使って、肌のうるおいとバリア機能を守ることがとても大切です。
※ただし、レチノールやピーリング系の成分は、赤み肌には刺激が強すぎることがあるので注意しましょう。
【内服薬(飲み薬)】体の中から赤みをサポート
トラネキサム酸(飲み薬)
赤みの原因となる炎症を、体の内側からやわらげるはたらきがあります。赤ら顔や酒さなどにも使われます。
ビタミンC・E
肌を元気に保つ栄養素。紫外線やストレスから肌を守り、血管を強く保つはたらきもサポートします。
抗ヒスタミン薬
アレルギーやかゆみがあるときに使われます。脂漏性皮膚炎などで赤くなっている場合にも効果があります。
【美容施術】赤みに効くレーザーは医師と相談してから
赤み用のレーザー(IPLやVビームなど)もありますが、肌の状態によっては刺激が強すぎて逆に悪化してしまうこともあります。
まずはスキンケアや内服薬で肌の土台を整えることが大切です。
気になる場合は、必ず皮膚科や美容クリニックの医師に相談して、自分の肌に合った方法を選びましょう。
【実例紹介】赤み+色素沈着の両方がある女性のケース
マスクで赤みが悪化…営業職の40代女性のケース
ある40代の女性。営業の仕事をしていて、毎日マスクをつける生活が続くなか、頬の赤みや色ムラがどんどん気になるようになってきたそうです。
「お客様と話すときに赤みが気になって、自信が持てないんです」
そう話してくれた彼女は、マスクのこすれで赤みが悪化し、ファンデーションでもなかなか隠せず困っていました。
そこで始めたのが、トラネキサム酸とビタミンC・Eの内服。さらに、夜だけハイドロキノンを赤みの気になる部分に塗るケアを取り入れました。
日中はしっかり保湿と紫外線対策をし、マスクの素材にも気をつけて“こすらない”工夫を重ねていきました。
すると――
4週間ほどで赤みが落ち着き、メイクのノリもよくなってきたんです。
さらに続けるうちに、8週間後には肌の色ムラも目立たなくなり、「肌が明るくなった」と感じるほどに変化が。
「今は朝、鏡を見るのがちょっと楽しみになってきました」
と笑顔で話してくれました。
美容薬剤師からのアドバイス|「顔の赤いシミ」には正しい見極めと対処を
顔に赤いシミがあると、「シミ=美白化粧品」と思って、すぐに美白ケアを始めたくなる方も多いかもしれません。
でも、赤いシミはメラニンによるものとは限らず、炎症や血管、加齢などが関係していることもあります。
原因が違えば、必要なケアもまったく変わってきます。
間違ったスキンケアを続けてしまうと、かえって赤みがひどくなったり、肌が敏感になることもあるんです。
大切なのは、まず今の肌の状態を正しく知ること。
自己判断せずに、皮膚科の医師や薬剤師など、専門家に相談することが赤み改善の近道になります。
「とりあえず美白」ではなく、「まずは見極め」から始めましょう。
\ オンライン診療で赤みケア、はじめてみませんか? /
「市販の薬やクリームをいろいろ試したけれど、赤みがなかなか消えない…」
そんなお悩みは、自己判断ではなく、医師の診療を受けることからはじめてみませんか?
美容薬局オンラインでは、オンライン診療を通して医師が肌の状態をしっかり確認し、あなたに合った治療やお薬を処方します。
診療後は、美容の知識をもつ薬剤師が、お薬やスキンケアの使い方まで丁寧にサポートするので安心です。
たとえば、赤みが気になる方には以下のような治療プランがあります:
《ニキビ跡集中改善プラン【P-6】》
肌状態に合ったお薬を使うことで、赤みの根本原因にしっかりアプローチできます。
まずはオンライン診療で、医師に相談してみませんか?
監修:美容薬剤師 吉竹麻由子